【M15】涸沢で『秋に現れるテント村と星空』を撮る。〈登山〉
1.ミッションレベルB+
「死ぬまでに一度は見たい日本の紅葉」を紹介するならば、涸沢の紅葉である。
涸沢ヒュッテを超えて、眼前に現れる涸沢の絶景を見た興奮は忘れられない。
辿り着いた達成感と安心感が、さらに紅葉を色付ける。
忘れられない景色とは、目で見るのでなく心や頭で見ているのだと思う。靴を脱いだ瞬間の開放感や名物のおでんとビールの味、テントからのんびり眺めた時間など幸せな記憶と共に景色が蘇る。
涸沢までは、6時間の登山が必要である。
私の利用したルートは、
上高地→明神→徳沢→横尾(3時間)→本谷橋→Sガレ→涸沢(6時間)
一般的なルートである。難易度が上がるが、屏風の耳経由のルートを通れば、さらに絶景を楽しむことができる。
上高地までは、あかんなだ駐車場からバスでアクセスした。
2.星空レベルB+
テント村や小屋の明かりが気になる所であるが、さすがは山の星空である。肉眼で天の川がはっきり見える。
3.星景レベルB+
紅葉が素晴らしい。運が良ければ、紅葉と冠雪が重なる景色を見ることもできる。テントの数も大変多く秋の涸沢の象徴的な一枚が撮れる。
目線を送るのは、北岳から奥穂の稜線であろう。方位は、北西〜西である。
涸沢からは、北穂に奥穂、南西には前穂、北東には、常念岳など美しい景色が広がる。
「常念岳と紅葉」
テント場から西に向かうと小さな池があり北穂や涸沢槍を写すこともできる。
屏風の耳方面に向かうと、ヒュッテから10分ほどで小屋やテントが一望できる場所がある。
「ヒュッテからのモルゲン」
4.ベストショット
『テント村と星空』
テントの数も多く、賑やかな涸沢を表現できた。右上に写った光跡は、流星かイリジウムフレアか判断できないが、よいアクセントとなった。
5.昼の涸沢
【M14】『構図と被写体を変えた流星の映った写真を10枚撮る』
1.ミッションレベルA−
流星の撮影は、撮影してみると比較的簡単だ。ビギナーズラックで火球レベルの写真を撮影した友人もいたくらいだ。
しかし、『構図と被写体を変えた流星の映った写真を10枚撮る』というと難易度がぐっと上がる。納得いく構図での撮影は1つか2つが限度であろう。撮影回数を重ねて、ようやく達成できる課題であるのだ。
毎年ほぼ安定して、多くの流星が流れる3つの流星群「しぶんぎ座流星群」「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」を狙って撮影するなどの工夫もよいだろう。
『誰でも撮れる、流星の撮り方』 - 星空ハンターirodori0320.hatenablog.jp
2.私の10枚
①「中央アルプスの裾野に落ちる」
②「火球レベルの流星」
③「双子座流星群の夜、犬山城上空に流星」
④「霞沢岳上空のオリオンを貫く流星」
⑤「薄明時に流星」
⑥「笠ヶ岳と流星」
⑦「宝剣岳と流星」
⑧「穂高山荘から流星」
⑨「立山と流星」
⑩「水晶岳上空に流星」
【M13】北岳から『富士山と天の川』を撮るII。〈登山〉
目次
1.ミッションレベルA−
北岳肩の小屋までの記録は、下記を参考にしてほしい。
2日目:北岳肩ノ小屋(20分)→両俣小屋分岐(30分)→北岳(15分)→北岳山荘(50分)
「北岳頂上から山荘へ向かう稜線」
「タカネマンテナ」
「稜線越しに北岳山荘が見える」
「北岳山荘入り口 ここに水場もある。」
「テント場からは富士山」
今日の宿は、なんと贅沢な眺めだろう。
2.星景レベルA
東には富士山
北には、北岳山頂
南には、間ノ岳。
富士山の存在感はすごい。それゆえ、ありきたりな構図になりがちだ。思い切って方位を変えてみる。画角にこだわる。足元を見るなどの、変化をつけながら撮影するとよいだろう。魅力的な被写体が豊富なのだから。
3.ベストショット
シナノキンバイを前景に置き、天の川と富士を絡めて撮影した。シナノキンバイと街明かりの黄色が、実によい雰囲気を演出していた。
4.下山
北岳山荘→八本歯のコル(70分)→大樺沢二俣 (120分)→広河原
「八本歯のコルへの分岐を過ぎた花畑」
かなりの強風に視界の悪さ、濡れた足元
「下山後、広河原でバスを待つ」
「最後は、疲れを癒しながら下山の喜びに浸る。」
【M12】北岳から『富士山と天の川』を撮る。〈登山〉
目次
1.ミッションレベルA−
北岳の標高は、日本第2位の3,193mである。登山口の広河原(ひろがわら)から1700mの標高差の登山が必要だ。
私は、長野県側から、登山口の広河原に取り付いた。バスの本数が少なく、逃すと登山計画の変更が必要になる。
仙流荘(駐車場)からバスで、北沢峠まで行き、広河原行きのバスに乗り換え、広河原まで行く必要がある。南アルプスの深さをここでも味わうことができる。
2.北岳肩の小屋から『富士山と天の川』を撮る
1日目:広河原(25分)→1660m地点(白根御池方面との分岐)(125分)→大樺沢二俣(150分)→小太郎尾根分岐(30分)→北岳肩ノ小屋テント場(宿泊)
「広河原」
「白根御池山荘経由で肩の小屋を目指した。」
「白根御池山荘」
「テン場があり、ここからの星空も狙ってみたい。」
「今日の宿」
こんな一等地に住める幸せは下界ではない。鳳凰三山、富士山の眺めがよい。使用率は、700円。山頂までは、50分である。
自炊するなら「早ゆでサラダ」は大変優秀である。調理の時間が短いだけでなく美味しい。液体のソースに比べると味は劣るが、粉状の味付けを持っていけば軽量化もできる。
北岳肩の小屋から『富士山と天の川』
晴れない夜が、次への期待を高める。
3.星空レベルB+
北岳の標高の高さは、日本2位である。当然、天の川を肉眼でしっかりと確認できる。しかし、街明かりの影響をかなり受ける。予想だが、周りの町の標高が高いためそれを強く受けるのではないだろうか。
4.星景レベルA
北岳山頂に立つと、「もし富士山頂に誰もいなければ、日本で1番高い場所から星空を今見ている。」と高揚感が湧いてくる。
南アルプスは、富士山の景観の良い場所が多い。北岳もその1つだ。
夜景が綺麗だが星景写真を撮るには難易度が高い。
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『誰でも撮れる!!流星の撮り方』
目次
1.結論から言おう。
「流星を撮影するためには、シャッターをできるだけ多く切り、撮影時間を長くすることだ。」
流星はいつ流れるかわからないからだ。しかし、私の経験だと、条件の良い星空を見ている場合、1時間に1つから3つ平均で流れている。ただし、光が弱く映り込まないものや画角の外で流れてしまうこともあるが。
2.具体的な撮影方法に移ろう。
1.三脚にカメラを固定し、撮影したい方向にカメラを向ける。
2.カメラの設定をする。
①ピントを合わせる。
②ISO感度を上げる。1600〜3200程度。
③シャッター速度10秒から30秒の間にする。星が線状にならないような適正な露出時間に設定する。(個人的に線状になってもいいと考える。大切なのは作品の意図。)
④星空の絞り値(f値)を下げる。1.8から3.5。
⑤RAW写真の設定にする。JPEGでもいいが、撮影後の編集は、現在の星景色写真の仕上げには必須条件ではないだろうか。
⑥連写ができる設定にする。
3.レンズヒーターをつけておく。レンズが曇ることが多いため、レンズヒーターも必須アイテムであろう。
4.シャッターを押しっぱなしにする。つまり、レリーズのスイッチを入れておく。
3.必須アイテム
①絞り値の小さいレンズ。つまり明るいレンズ。
②好感度に強いカメラ。必然的にフルサイズのカメラになってくるだろう。
③三脚。
④レリーズ。
⑤レンズヒーター。
空の条件は、天候、季節、場所などによって異なる。そのため、常に同じ設定などありえない。条件に合わせて微調整をしていかなくてはならない。やはりカメラの基本的な知識は必要であろう。上記の説明の中の分からない用語は学習するべきである。
4.気をつけること
私自身、撮影時何度も失敗をしている。そこで気をつけるべきポイントを記載しておく。
①1枚撮影した後、必ずライブビューを拡大しピントが合っていることを確認する。ここをおろそかにしてしまうと全ての写真が失敗作品になってしまう。
②レンズヒーターをつける。条件によっては、数枚撮っただけでレンズが曇ってしまう場合があるからだ。
③連続撮影の設定になっているか確認してから、その場を離れる。レリーズのスイッチを入れて安心して別の場所に移ることがあるだろう。基本私は、寒かろうが空を見続けているが。連続撮影モードになっていないと、レリーズのスイッチを入れていてもシャッターが切れない。必ず2枚目のシャッターが切れていることを確認してから、その場を離れる。
④三脚に固定されているか確認する。
⑤レンズキャップの取り忘れを確認する。
⑥SDカードの容量を確認する。
【M11】樅沢岳から『笠ヶ岳と天の川』を撮る。〈登山〉
目次
1.ミッションレベルA−
『双六池と天の川』ミッションの番外編である。双六岳までの行程は下記を参考にしてほしい。
双六小屋から50分で樅沢岳に到着だ。双六小屋のテン場を拠点に行動することができる。
登り始め、北方面の鷲羽岳が美しい。
標高を上げるに連れて、槍ヶ岳が姿を現してくる。樅沢岳は、槍ヶ岳へと続く西鎌尾根の登山が始まる。
北鎌尾根の眺めもよい。
「月明かりを頼り歩く」
「樅沢岳頂上からの槍ヶ岳」
2.星空レベルA
大変美しい。特に、北側は北アルプスの深い山域のおかげで空は暗く、星空が美しい。
3.星景レベルA
東方面には、槍ヶ岳。西鎌尾根や北鎌尾根が見える。南方面には、乗鞍岳や焼岳、笠ヶ岳が大きく見える。北方面には、鷲羽岳などの北アルプス北部の山が見える。西方面には、双六岳が見える。
全方位美しい景色が広がっているため、月入りや月出の時間や天の川の位置を事前に調べておき、ベストな1枚を撮影できるようにしよう。
私は、残雪期に登山し、月明かりに照らされた槍ヶ岳へと続く西鎌尾根と天の川を絡めた1枚を狙っている。
4.ベストショット
笠ヶ岳と天の川
月入り後、濃い夏の天の川が現れた。笠ヶ岳上空に直立した夏の天の川と笠ヶ岳を重ねて、狙い通りの構図で撮影することができた。月入り後の、地平線に残る赤が落ち着くのを待ち、シャッターを切った。
【M10】『双六岳の双六池に映る星空』を撮る。〈登山〉
「双六岳からヴィーナスライン」
目次
1.ミッションレベルA−
双六池までは、新穂高温泉そばの登山口から、約7時間以上(山と高原地図)の登山が必要である。
この登山口は、槍ヶ岳や笠ヶ岳などのいくつかの登山にも使われる。
そのため、時期によっては無料駐車場(深山荘そば)は満車となってしまう。その場合、鍋平の駐車場を利用することになる。
滑落などの危険は低いものの、行程が長い。岐阜県の山のグレーディングによると、小池新道を通り双六岳へ登るルートは技術度Bとなっている。
1-1.行程①
登山口→わさび平小屋(1:20)→鏡平山荘(5:30)→弓折分岐(6:30)→双六小屋(7:40)
「登山口→わさび平小屋(1:20)」
道は整備されていて歩きやすい。調子がよく歩けるがペースを配分を大切に。ここまでは準備運動のつもりで歩くのがよいだろう。
笠新道との分岐には水場があり給水できる。笠ヶ岳に登る際は、最後の給水ポイントとなる。
わさび平小屋には、テン場がある。前日にここで一泊すれば幾分行程が楽になるだろう。
「登山口」
「笠新道の分岐」
「わさび平小屋」
「休息」
1-2.行程② わさび平小屋(1:20)→鏡平山荘(5:30)
「沢から流れ出た」
秩父沢からチボ岩の間には、水場がある。
「鏡平山荘」
「かき氷で回復」
1-3.行程 鏡平山荘(5:30)→弓折分岐(6:30)→双六山荘(7:40)
「弓折分岐」
「花見平」
「双六小屋と鷲羽岳」
双六岳登山の定番のアングルだが、この景色を見たとき疲れが吹っ飛んだ。星空以外はiPhoneのカメラで撮影するが、一眼を急いで取り出した。
雲が抜け姿を現した鷲羽岳の存在感が、山の深さを思い出す。
「テン場」
「双六小屋」
「晴れを期待して」
2.星空レベルA
大変美しい。特に、北側は北アルプスの深い山域のおかげで空は暗く、星空が美しい。
3.星景レベルA
1日では撮り尽くせないほど被写体が豊富だ。双六池越しの南の方角には、笠ヶ岳が見える。
双六池畔に自生するコバイケイソウの群落は、高山市により『双六池畔のコバイケイソウと笠ヶ岳』として新高山市100景の一つに選定されている。
双六小屋と星空も素敵だ。
月明かりがあれば、双六小屋と鷲羽岳を組み合わせて撮るのもよいだろう。
さらに双六岳や樅沢岳まで登れば、北東方面に槍ヶ岳、南方面には、乗鞍、焼岳、笠ヶ岳などの存在感がすごい。
4.ベストショット
『双六池と天の川』
「笠ヶ岳の真上に登る天の川と池」を縦構図で撮影する計画を立てていたが、池の周りにロープが張っていたため、思い切って構図を変えた。池を左に配置したことで、バランスのとれた一枚を撮影できた。