星景ハンター

星景ハンターとして、ミッションを与える。

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【M29】上高地で紅葉と星空を撮る

こんにちはirodoriカメラマンです。

この度は当ブログ「星景ハンター」を閲覧頂きありがとうございます。

10月13.14日に上高地に撮影に行って参りましたので、紅葉と星空ミッションのお知らせをさせていただきます!!

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目次

 

 

1.上高地について

○目的は様々、人気の上高地

これまで、登山のために上高地には何度も足を運んでいるが、「紅葉した上高地」を目的に訪れたのは初めてだった。

上高地は、北アルプスへアクセスするための登山口の1つである。また、河童橋へはバスを利用して簡単にアクセスでき、雄大穂高の景色を楽しむことができる人気の観光地である。

上高地公式ウェブサイト

そのため、利用客の目的はさまざである。観光を楽しむカップルや家族、ハイキング目的者、バードウォッチング、登山客など様々な目的の人々が集まる場所でもある。

私の勝手な印象だが、河童橋梓川で過ごしている人たちは観光客が多い。河童橋から大正池あたりにいる人は、ハイキングを目的としている人たちが多く、明神を越えて、徳沢や横尾まで足を伸ばしている方は、槍ヶ岳や涸沢、穂高蝶ヶ岳などを目指す登山者が多いだろう。

普段私は、登山を目的として上高地へ訪れるため、

アカンナダ駐車場(35分)→バスで河童橋→明神→徳沢→横尾→目的の山

のルートを辿る。上高地・乗鞍地区│平湯温泉〜上高地シャトルバス

 

今回は初めて、小梨平キャンプ場でテント泊をして、紅葉と星空を撮ることにした。

結論から言うと、思い描いた紅葉と星空の写真を撮ることができなかった。

しかし、次回の撮影に生きる撮影ポイントをいくつか見つけたので紹介したい。

 

上高地の紅葉

河童橋から穂高を見上げると、岳沢より若干低い標高の位置に、紅葉が降りてきているように感じた。上高地には、色づいている木々も多数あり、あと数日で最盛期を迎えそうな印象であった。

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上高地長期滞在者の知恵袋

今回宿泊した小梨平キャンプ場では、長期間滞在し、テント泊生活を楽しむ人々に出会った。上高地を訪れたことがある人ならば見覚えがあると思うが、河童橋からの風景の絵を描き続けている方がいる。この方は、上高地滞在59日目とのことだ。顔見知りの、そんな仲間が数人いるそうだ。

長期滞在のために、宿泊用のテントと食料などの保管のためのテント合わせて2つを設営されていた。

丈夫な透明なケース(30センチ× 20センチほど)に、食料を詰め込み、冷たい川の水に浸しておけば冷蔵庫代わりとのことだ。

小梨平キャンプ場には、ネズミが出るとのことだ。土の中に潜って生活することがあるようで、潜り跡を見せてもらった。以前、食料を、そのネズミに荒らされたことがあるらしい。頑丈なケースに入れておくのはそのためだろう。

夜は10度を下回り冷えた。布団で寝たくないのか尋ねると、「重いが暖かい安いシュラフを2枚重ねて寝ているから快適」と話してくださった。河童橋から小梨平キャンプ場までは、5分程度なので、重い荷物を運ぶことも苦にならないとのこと。軽くて暖かい高級なシュラフより、コスパがよいそうだ。別荘を買わなくても、大自然に囲まれた快適な生活を送れて最高の環境だと言う。将来仕事をリタイアしたら、あんな風に日々を楽しみたいと思った。私の場合、星空を撮り続けることになるだろうが、大変面白そうだ。

自分が知らないだけで、面白い生活を送っている人がいるようだ。

 

上高地まではタクシー利用

早い時間から上高地に入りたかったが、予定があり、アカンナダ駐車場から 16時50分の最終のバスで上高地を目指すことにした。(とある事情にて格安で上高地までタクシーで入山することができたが。) 

運転手の方から聞いた話だが、上高地で仕事をするのは春夏秋の時期だそうだ。冬は完全に予約制となっているとの事。春夏秋は松本から勤務しているそうだ。

上高地に流れている100台以上のタクシーが、冬に松本に戻り、客の数とのバランスが崩れ大変なんだそうだ。

冬季は、アカンナダ駐車場が閉鎖されるため、沢渡に車を止め、そこからタクシーを呼び上高地にアクセスすることになる。

自転車でアクセスするならば、中ノ湯からではなく、沢渡からアクセスした方が道がなだらかで疲労感が少ないそうだ。

自転車で入山するのもいいが、今年の冬季はせっかくなので、タクシーを使って上高地にアクセスしてみたいと思った。

 

○ 5月と10月の上高地

5月岳沢湿原

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10月の岳沢湿原

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5月

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10月

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2.ミッションレベルC+

上高地へのアクセス

上高地は、自然保護のためマイカー規制されている。そのため下記のような方法で足を運ぶこととなる。

①アカンナダ(岐阜方面)沢渡(長野方面)の駐車場に車を停め、バスやタクシーを利用する。

上高地までの直行バスを利用する。

③徒歩や自転車を利用する。などアクセスの方法は様々整備されている。

 

○拠点とする宿泊場所

テント場は、河童橋から近い順に、

小梨平キャンプ場、徳沢、横尾と豊富である。さらに、小梨平と徳沢には、入浴施設もあり心地よく過ごすことができる。

テント泊が苦手な方は、ホテルを利用することもできる。

五千尺ホテル大正池ホテル、明神館などいくつか施設があるので、探してみるとよい。大正池から横尾までの広い範囲にあるため、目的に合わせて宿泊できる点もよい。

宿泊施設 | 上高地公式ウェブサイト

 

 

 

3.撮影について

冬季は別だが、ロッジやホテルの光で明るい。また、宿泊されている方か、星空観察のために外出されていて恐怖心も少なく撮影ができる。ただし、星景撮影をする場合、宿の明かりが消えてから行う必要がある。

 
○この日の月の条件

月齢4.3

月の形:三日月

18時過ぎから月入りまでの時間は、北東や北西が月明かりに照らされて撮影に適している。

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今日のほしぞら - 国立天文台暦計算室引用

 

 

○撮影計画

北西方面は河童橋から見ると、穂高の稜線がかっこいい。北東には、紅葉に彩られた明神岳が目立っている。南西に沈む月に照らされた、それらの風景を撮影することを1番のメインと考えていた。

河童橋からの風景」

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しかし、上高地にアクセスする際に見た大正池のカラマツの黄葉(実際はまだ緑がかっていた。)が美しく撮影範囲を広げることにした。

そこで、小梨平から1時間かけ大正池までナイトハイクをした。雲が出てきてしまったことと大正池ホテルの明かりが強く、撮影は失敗した。次回、大正池から紅葉と星空を狙うのならば、大正池ホテルの明かりが消える時間(何時かはわからない)に撮影しようと思う。

 

○撮影スポット

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4.ベストショット

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黄色に色づいた木々と、焼岳の上空には夏の名残の天の川を組み合わせて撮影することができた。ロッジの明かりが強く、難しいロケーションだった。曇り空から、ほんのわずか顔を出した天の川を撮影できたのは、幸運であった。

 

 

 

 

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【M28】天空の山小屋、赤岳頂上山荘と天の川黄道光のクロスを撮る。〈登山〉

こんにちはirodoriカメラマンです。

この度は当ブログ「星景ハンター」を閲覧頂きありがとうございます。

今回のミッションでは、八ヶ岳最高峰の赤岳からの星空を紹介します。

 

目次

 

1.赤岳頂上山荘からの景色

360°の大展望。

赤岳頂上山荘の標高は、2899.2mである。

雲海が発生すれば、北アルプス南アルプスの峰々、御嶽山や富士山などの独立峰が雲上に浮かぶ。

街明かりは、下から雲を照らす。雲は多彩な光を浴びてほんわりと輝いている。

下界の光と空は雲海で分断され、真っ暗な空には、満天の星空が広がる。

その景色は、まるで、ファンタジーの世界に出てくる天空の世界に迷い込んだような錯覚を覚える。思わず息をのむ大展望だ。

八ヶ岳最高峰頂上付近に位置する赤岳頂上山荘は、まさに天空の山小屋と言える。

今回は、この天空の山小屋と星空を組み合わせた写真を撮るミッションである。

八ヶ岳、赤岳頂上山荘

 

irodori0320.hatenablog.jp

2.ミッションレベルB

赤岳頂上山荘までは、約5時間40分の登山が必要である。

美濃戸口(1時間)→美濃戸山荘(2時間30分)→行者小屋→(1時間25分)地蔵の頭→(45分)赤岳頂上山荘

 

行者小屋には、テント場がある。一泊して行程に余裕を持って撮影するのも良いだろう。

行者小屋から地蔵の頭までは、梯子がかかっている箇所がいくつかある。

地蔵の頭から赤岳頂上山荘までは稜線歩きとなる。道幅が狭い場所もあり、滑落しないよう注意して渡る必要があるだろう。

当然、頂上付近も風が強い日もあり、たとえ夏であっても防寒対策は必須である。

 

3.天空の山小屋と天の川黄道光のクロス

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室内の僅かな光が溢れて窓に色がついた。

「これで、山小屋の輪郭がはっきりするぞ。」

と心が高ぶった。

ほんのわずかな光が、写真に特徴を与えるから撮影は面白い。

満タンに入ったグラスから溢れ落ちる水のように、思い描いた構想を少しでも超えると心が動く。

この山小屋の光のおかげで、納得の一枚が撮影できた。

 

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【M26-2】御岳山の紅葉と星空を撮る。〈登山〉

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こんにちはirodoriカメラマンです。

この度は当ブログ「星景ハンター」を閲覧頂きありがとうございます。10月7.8日に御嶽へ撮影に行って参りましたので、ミッションのお知らせをさせていただきます!!

目次

1.大人気の御嶽山

○混雑具合

一ヶ月以上ぶりの登山に選んだのは、大好きな山の1つである御嶽山。昨年に続き、今年も御嶽山に登れたのは大変嬉しかった。

まずもって、驚いたのは登山客の多さだ。今年も昨年と同じ23時ごろ到着したが、駐車場はすでに満車。8時ごろ下山したが、さらに車の数は増え、道路に1キロ以上車が連なって停まっていた。

規制緩和の影響もあると思うが、登山客が戻ってきたようで嬉しく思う。しかし、予想以上の人の数におどろいた。

登山口への取り付きがよく、 6合目付近から(中の湯1810m)登ることができる。そのため、稜線までは3時間〜4時間と程よい距離感だ。そして何より紅葉が美しい。人気が戻るはずである。

話は変わるが、台風の影響で、霊峰ラインから中の湯までの道が通行止めだったため、ブルーラインを利用して中の湯にアクセスした。

 

○紅葉の見頃

2018年10月7.8日の紅葉の見頃箇所は、七合目と八合目の間であった。八合目から九合目は、最盛期は過ぎたものの、美しい紅葉が広がっていた。まだ数日は楽しめるだろう。

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2.ミッションレベルB

○行程

登山開始 23:45

下山時刻 8:00

中の湯駐車場(45分)→七合目行場山荘(50分)→女人堂(40分)→三の池道

女人堂までは、木道が整備されているおかげで、ぬかるみを回避しながら歩く事ができた。下山時は滑りやすく度々転倒しそうになった。

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○ナイトハイク撮影

今回はナイトハイクをした。撮影地で星空を撮影し、日の出を見て下山した。

夜の撮影を終えて、下山するときは登山客が1番多い時間帯である。自分の中のあるあるだが、「もう頂上まで行ってこられたんですか早いですね。」と声をかけられることが多い。純粋に山登りにきている人たちとは、時間の使い方が違うようで困惑させてしまう。登山客の装備や服装からも各自の目的の違いが分かる。自分にあった楽しみを選択できる。そんな自由さが、登山人気の理由の1つかもしれない。山の懐の大きさに感心してしまう。

 

○撮影計画

今回の撮影計画は、女人堂から先の「紅葉と星空」と、「三の池越しの下弦の月」の撮影であった。

しかし、三の池まで通り抜けできない情報を、女人堂の看板で知り、三の池を諦めた。

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事前の情報収集を怠ったことが仇となった。また、規制緩和された剣ヶ峰の様子も気になったが、思い切って、今回はピークを踏まない登山に変更した。

 

○撮影ポイント

irodori0320.hatenablog.jp

 

 

3.登山装備(夜の撮影装備)

○服装

モンベルの薄厚手のパンツとモンベルのジオラインにフリース(薄手)を羽織って出発した。このモンベル三点セットは、機能的でシンプルで使い勝手が良いため大変お勧めだ。

 

 

 

15分歩いて暑くなりフリースを脱いだ。女人堂を過ぎると、風が冷たく感じフリースを再び羽織った。撮影場所を決めてからは、フリース上にハードジェルを羽織り、ダウンパンツを履いた。やはり足を止めると急速に体がひえてくる。お湯を沸かしコーヒーを飲んで体を温めた。

  • 長ズボン
  • 長袖(ベースレイヤー)
  • フリース
  • ダウンパンツ
  • ハードシェル
  • 薄手の手袋
  • ニット帽

登山前の、中の湯駐車場が14度。下山後は11度。女人堂あたりは、夜中7度くらいであった。

 

○登山装備

登山靴(短時間の登山のためアプローチシューズ)

  • 35ℓリュック
  • 敷物お尻にひいた。
  • ヘッデン
  • コッヘル
  • チャッカマン
  • ガスカートリッジ プリムス(小)

 

PRIMUS(プリムス) GAS CARTRIDGE ハイパワーガス(小) IP-250T [HTRC 2.1]

PRIMUS(プリムス) GAS CARTRIDGE ハイパワーガス(小) IP-250T [HTRC 2.1]

 

 

 

○食料
  • 菓子パン2つ
  • 500mlの水2本
  • コーヒー
  • 味噌汁

          

○撮影機材
  • Canon 6d
  • sigma 24mm art
  • SAMYANG 14mm F2.8 
  • レリーズ2本
  • BT(予備含む)
  • 三脚
  • ミニ三脚
  • ソフトフィルター
  • SDカード(予備含む)

 

 

 

 

今回は、ストックとお金を忘れて登山してしまった。下山時、行場山荘の力餅を食べることを楽しみにしていた分、落胆が大きかった。

ヘルメットを持参している登山者を多く見た。5年前の出来事は多くの登山者の心に深く刻まれているのだと改めて思った。

 

 

4.余談

私たち語彙力低くて、「わー。」「すごい。」「きれい。」の3つしか紅葉見て言ってないよね。と仲間と楽しそうに会話しているグループに会った。同じ景色を見て、同じように綺麗と感じられる相手との登山は幸せそうだった。

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5.ベストショット

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ナナカマドの赤が秋を表現してくれた。また、黄道光と天の川のクロスもこの時期ならではの星空だ。

 

irodori0320.hatenablog.jp

 

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【M27】『黄道光(こうどうこう)と天の川のクロス』を撮影する

1.ミッションレベルC+

○天の川よりも淡い光の帯
日が暮れた直後の西の地平線、もしくは明け方の東の地平線から、天頂に向かって伸びる淡い光の帯が見えることがある。これを黄道光といい、黄道面に広がった塵(ちり)が、太陽の光を反射して見える現象だ。今回は、秋の夜明け前、東の空に見える黄道光を撮影するミッションだ。

 

○撮影時期

日本ではおもに1月~3月(夕方の黄道光)、もしくは9月~11月(明け方)に見やすが、天の川よりも淡いため、秋の澄み切った夜空との相性は抜群だ。

宇宙情報センター / SPACE INFORMATION CENTER :黄道光引用

 

宮沢賢治も見た黄道
銀河鉄道の夜で有名な、宮沢賢治の戯曲の中にこんなフレーズがある。
「天の川はおれはよくは知らないが、何でもXといふ字の形になってしらじらとそらにかかっている。」(ポランの広場/宮沢賢治
この節にある「Xという字の形」というのが、黄道光と天の川がクロスした様子だと言われているそうだ。

 

常念岳黄道光」
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雲海により下界からの光害が弱り、常念岳上空に黄道光が姿を現した。

 

 

 

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星景写真撮影の「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つの基本設定。星空撮影。

目次

 

1.設定の話

星景写真撮影での、正しいカメラ内設定は?と質問されたら、

「条件(明るさ)によって、絞りとシャッタースピードISO感度を調節した設定」であると答える。

 

 

スナップ写真を撮るときに、マニュアル設定で撮る人はほとんどいないだろう。その時の明るさに合わせて、カメラが自動で最適な設定をしてくれるオートモードでの撮影をしている人が多いのではないか。当たり前になっているが、カメラの細かい設定を覚えなくても、目で見ている景色をそのまま写すことができる優れた機能だ。

 

しかし、星空の撮影をするならば、「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度の3つの設定を覚えることを勧める。シャッターを切ってみるとわかるが、オートモードで、星空にカメラを向けても、正しい設定を選択することができないのだ。

 

2.3つの設定を理解して、適正露出を自分でコントロールする

「絞り」とは

明かりを取り入れるための、「穴のようなもの」である。穴を小さくすれば光はあまり入らないし、穴を広げれば光がたくさん入ってくる。絞りは、F値ともいわれる。カメラ内の表示では、「F2.8」などと表示される。数字が小さければ穴は大きく広がり、明かりをより取り込める。

つまり、F5.6よりF2.8の設定の方が、多くの明かりを集めることができる。明るいレンズとは、F値の小さいレンズのことである。

 

F値は小さければ小さいほどよいの?

レンズには、それぞれ設定できるF値が決まっている。F値が1.4などと明るいレンズがあるが、一段、二段絞るとよいことがある。理由はサジタルコマフレアを防ぐためである。

 

※サジタルコマフレアとは、星が鳥の形のよう になってしまう現象である。

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シャッタースピード」とは

シャッターを開けておく時間である。長い時間シャッターを開けておけば、たくさんの明かりが入るし、短い時間ならば少しの明かりが入る。つまり、夜間の撮影では、長い時間あけておく必要がある。

 

長い時間シャッターを開けておけば、明るいレンズも高感度に強いカメラもいらないのでは?と思う方がいるだろう。確かにシャッターを長く開けておけば、明かりを集めることができるが、日周運動により星は線状に写ってしまう。星を点で写す為には、画角に合わせたシャッタースピードを設定する必要がある。

 

○画角に合わせたシャッタースピード

下記の計算式で上限露出時間を求めることができる。

500 ÷ レンズの焦点距離(フルサイズ換算)= 上限露出時間(秒)

15mm→33秒

18mm→28秒

20mm→24秒

24mm→20秒

28mm→17秒

 

見ている方角や位置、写真を引き延ばしたサイズにも関係するため、画角に入る全ての星に適用できるわけでないが目安にして撮影すると便利だ。

 

ISO感度」とは

ISO感度は、光を受け取る能力だ。数値が高ければ、弱い光でも強く受け取ることができる。高感度とは、ISO感度が高いことである。暗い場所での撮影で高感度にすれば、シャッタースピードを早くすることができる。よく「高感度に強いカメラ」と聞くと思うが、ISO感度を上げてもノイズが少ない写真が撮れるカメラのことである。

 

※高ISO感度撮影時に暗部に赤や青、緑のピクセルが見える場合がある。これらを抑制する際、ザラザラ感や粒状感が残る場合がある。これが「輝度ノイズ」と呼ばれている。 

 

優れたカメラでも、感度をあげればノイズが増える。だから、撮影者の気持ちとしては、ISO感度をできるだけ押さえて撮影したいのである。

カメラの仕様によるが、目安は、

ISO感度1000〜3200くらいではないだろうか。

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CanonEOS 6dの液晶画面である。左の赤丸からシャッタースピード、青丸の絞り、黄丸のISO感度

 

3.まとめ

1.適正露出をコントロールするためには、絞りの数値を小さくして星の流れないシャッタースピードを選択しISO感度を上げて明るさを調整する。

2.ノイズの許容範囲でISO感度を最大にして、 絞りとシャッタースピードを設定するのことも撮影の選択肢の1つであるだろう。

 

 

4.作例より

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Canon EOS 6D f2.8 30秒 ISO3200

新月の日、標高約2000mからの撮影。光害の少ない空の暗い場所では、このような設定での撮影が必要となる。空が明るくなりすぎず、星の明かりが一番美しく見えるカメラの適正露出を見つける。

 

 

 

 

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【M26】御岳山の紅葉と星空を撮る。〈登山〉

目次

 

1.御嶽山沢登山道一部規制緩和

御嶽山には二度登山させていただいている。

1回目は、2014年9月27日の噴火一週間前に王滝口から。それ故に、噴火のニュースは他人事とは思えなかった。あの日から御嶽山には一層関心をもっていた。あれから四年。黒沢登山道一部規制緩和が、平成30年9月21日発表された。
規制緩和は、 平成30年9月26日(水)午前10時30分より、ご遺族及び関係者 。 一般登山者は、正午12時00分からである。

御嶽山噴火災害に関する情報について - 木曽町公式サイト

一般登山者の規制緩和は、翌日からにすればいいのにと個人的には思うが、時刻をずらした配慮がされていた。ご遺族及び関係者の気持ちは計り知れない。犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。

 

2.御嶽山の紅葉は素晴らしい

やはり、山は美しい。再び御嶽山を訪れたとき思った。もっとたくさんの人が来たらいいのにと。

 

紅葉の撮影をするならば、黒沢口からの登山をオススメする。

今回の登山では、

6合目駐車場→女人堂→石室小屋→二.五池→摩利支点→五の池小屋→三の池→女人堂→6合目駐車場

のルートで登山したが、三の池→女人堂の紅葉樹の数と色に圧倒された。

 

女人堂から三の池小屋へf:id:irodori0320:20180930135353j:image

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3.ミッションレベルB 

私は、ナイトハイクで御嶽山を登った。黒沢口には6合目に駐車場がある。この登山口からロープウェイ到着地点までは、歩いて50分。ロープウェイを利用すれば50分の登山を短縮できる。

8合目の女人堂までは、所用時間は約2時間である。ここからは、植物の高さも低くなり、視界も開けを景色を楽しみながら登山ができる。

 

4.星景ランクA

何度も通いたいと思える素晴らしい景色だ。御嶽山は、台形のような形をしている。標高の高い場所が広いため撮影ポイントが豊富だ。

池も多くある。噴火後に新しくできた、二.五池も美しかった。

 

「三の池」

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「二.五池」
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5.星空ランクB +

6.ベストショット

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女人堂までの登山中、小休憩をしながら撮影した一枚に流星が入った。

今回は構想通りの写真を撮影できなかった。足しげく通い、最盛期の紅葉と星空を撮りたいと思う。

【M25】今までで見た1番美しい星空を見つける

1.1番美しい星空とは

自分で問いかけたが、「今までに見た1番美しい星空」というテーマは、とても難しい。

標高が高く空が近い場所。空が暗い。空気が澄み切っているなど、星が美しく見える条件はいくつかある。そういう条件の中で一番を見つけるのも面白いが、自分の記憶を頼りに見つけてみたいと思う。

 

今までで見た一番美しいと思う感覚は、味覚に似ていると思う。ボクシングの減量後に食べたおにぎりの味や、子供の頃に連れて行ってもらった海で、父親が獲ってくれたウニの味などは忘れられないものだ。味覚には思い出が加算されているように思う。

星空も同じように、いつ、誰と、どんな気持ちで、どんな出会い方で見たかが影響するのではないだろうか。今見る星空と、初めて天の川を見た感動では違うように。

 

2.1番美しい星空

友人が突然倒れ救急車での付き添いをした。容態が安定し、私だけバンガローに戻り、ふと見上げた星空は心に残っている。

初めて友人と飛行機に乗り、波照間島で見た天の川、初任者研修で山小屋に泊まり、ヘトヘトの中見上げた星空なども思い出深い。

 

ここ数年で考えると、日本最後の秘境と言われる雲の平で見た星空が心に残っている。

片道およそ15kmの道のりを10時間かけて歩き、たどり着いた場所からの星空は格別だった。

 

きっと、星空を彩るのは、それを見るまでの背景なのだろう。

 

『雲の平の天の川』

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